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   よりハッピーになる微笑み空間をつくりましょう♪20190501号♪

           ・・・ゆく時代くる時代・・・

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 令和元年、おめでとうございます。

 

 陽光の中、若葉も清く、深い緑も石畳や砂利も雨に洗われて、厳かに悠久の儀式を、

感慨深く思えた今日でした。いかがお過ごしでしたか。ご無沙汰しております。

誠に烏滸がましいですが、昨日、平成天皇として退位された上皇と実母が同じ齢、

本日即位された令和天皇と私の学年が一つ違うので、二人して、

時の流れの中で、清く澱まずに間断なくと、時代の節目を見守っているようでした。

 明治生まれの人である祖父は平成を知らず、大正生まれである祖母、

昭和生まれで令和は知らない父と兄、昭和、平成、令和とつなぐ母と私、

子供時代は平成で成人して令和を生きる愚息と、

江戸時代や令和の次の時代は知らないけれど、命をつなぐ、時代をつなぐということに実感が伴います。

懸命につないできてくれた霊魂となった命への祈り、生き続けられることへの感謝、

在り続けることの意味、宇宙と一体に感じられる時となりました。




(愚息誕生の祝いとして、念願の唯一の孫の誕生祝いとして、故雪底老師より名前を頂いたのだが、その時は氏名変更はせずに、
今ではテクニカル・アーティストとしてゲーム作家の道を歩みだして、いつの日か雅号として生きればと、
大切に誕生日に掛けております。2023年7月22日)

 時代の変化の中で、変わらず在り続けるもの、価値、時を超えた質を求め続けて参りました。

新しい風を感じて、新しい技術には着目しておりますが、

「これが流行りだ」とか「これが新しい」とか「古いんだよな〜」とか、ずっとあまり気にしなかった自分です。

40年近く前に「東海村が出来てしまう・・・あれ程、反対していたのに、廃棄物処理が絶対不可能だからだ・・・

いいか、今は高すぎるコストだが
25年くらいすれば液化天然ガスだぞ」と、

珍しく悔しそうに激しく話してくれた父には唖然と圧倒されましたが、

それからその言葉を噛み締め続けております。

新潟で、水俣病のように公害を起こした昭和電工の外壁材を使ったとの理由で、

その自分の家に足を入れなかった父から、学んだことは今でも噛み締めています。

明治の鉄道少年であった若き技師が新潟への鉄道網拡張を支え、

親友となった測量士と地元の山案内者と冬山に入ったら二週間は帰らなかったと命を懸けて、

祖母との新婚時代を過ごしたという厳しく怖い祖父の、明るい朗らかな笑顔を忘れられないです。

どうしたら、それらを次世代に伝え受け継がれるように出来るかと、焦りや力不足を感じておりました。

 地震や火災に合わず、合ったとしても生き延びられて立ち直れるように防災、減災を、日常的に考え実行して、

安全で、美しい、無理せずに和やかに暮らせる住環境をと、

受け継がれてきた生産システムを尊重しつつ改善、改良し、在り続けるものを大切に、

在り続けられるように補うのだが、それは質的にも、美的にもと努めております。


実現できなかったこともありますが。

 

 堀口捨巳先生が「美似居留」と当て字した塩化ビニールや、

硬質プラスチックや繊維強化プラスチック、
FRPも、

樹木希林さんが設計の注文で

「コンクリートはコンクリートらしく、鉄は鉄らしく、木は木らしく素材の性質を大切にして、それであとは任せる」と

話されたとの事だが、そうしてそのように適材適所にと考えますが、

海洋生物への悪影響となっているマイクロチップスの、

自然に還れない廃棄物の問題から、父の姿勢を思い出すのです。

 

 ヴィンテージのジーンズとしてヒッピー発祥の通りの店でリーバイスの上着を、30年前に購入し、

自分では重く感じるけど、愚息も愛用した後、小さく感じてハンガーにかけておくだけですが、

今でもそれは、在り続けています。

けれども、新しいパンツの膝にわざわざ穴を開けたりして、ボロボロにするのは、本質的に違うのです。

どうしても意味を感じられず、かっこ悪いし「勿体ないでしょ!」なのです。



これと同じ感覚ですが、複合合板床材で、フローリング厚さも1.5mmや2mmのリフォーム用ですが、

木造の壁補強や基礎補強後の床復旧で用いると、建具の開閉に支障なく納まるのですが、

木製床、米国人が憧れるような幅広い床板の写真プリントが表面に施してあるだけではなく、

古材のようなヴィンテージ板の写真や、大きな目立つ節のある木板の写真なのです。

倉庫のような箱の中なら似合っても、他の全体がラワン材やヒノキや木製巾木や枠がある家の中で、

「これが新しい」「今は濃いブラウンだ」と言われても、

ビクトリア時代の英国調と合うようにしたコンラッド風の平成時代の六本木ヒルズ色を真似る不釣り合いを感じて、

「ただの箱でもないのに・・・」と。

以前、アレグザンダー教授の著書「the Nature of Order」の中から、

ベンチとスツールや、塩のガラス小瓶とケチャップや、馬小屋内と馬がいない調教場など、

二つの写真を比べてどちらが良いか、

Oneness」自分と一体感を感じられるのはどちらかと問うことを、当メルマガでご紹介しました。

この場で蘇ったのは、あの感覚でした。

「・・・感覚的にリセットしないと」と感じました。

他国の山をはげ山にするのは問題だが、地産地消に近い国産材や、

本当に古材を再利用することは出来ないかと、いつも状況に押される自分を反省するのでした。


  

 そのような時に、救いとなったのは、伝統を守り続けている寺院や、

やはり今年早春に家元継承があった表千家ですが、茶道の世界で本物を見ることでした。

銅の板金の雨樋に大きく太い青竹、

石畳と、大きな那智黒と洗い出し面の段差の草履に丁度良い微妙な高さで、

足裏を使って歩くのに気にならず水が確りと流れる勾配、質素でも深みを出して格調のある構え、

間違いなく時を超えた質、その中での行事や振る舞い、その為の設えや道具が生かされて、

個々が強まって全体性も強まるが、疲れない気の流れ・・・。

美術館の陳列物ではなく、命が宿っているような道具たちと感じさせる全体性です。 

木板写真プリントのフィルム、口からラップが外せて、息が出来るだけではなく、深呼吸が出来るようでした。


 そして、同じ木造壁を補強し、基礎補強した後でも、

床下地の根太の更新によりドアの開閉の為にレベル調整して、

節がほとんどない檜縁甲板張りで木地を生かす塗装仕上げとし、

確りと漆喰壁として左官仕上げして磨き込める家とし、

この本物の質を大切にする姿勢を守れるように、

畳や無垢板の上を裸足で歩ける豊かなのびのびとした生活、

全体性を見失わないようにと拘り続ける仲間たちとの出会いを大切にして、

道を歩み続けられるようにと願うのでした。

 在り続けて、守れるものがある豊かさを大切に、

命を生かせて精進し続けられるようにと願いつつ、平和を願い太平を祈ります。

家や、庭や、釜や、石は単なるものではなく、悠久に伝えられる儀式も、

江戸城無血開城の功績に感謝して、皇居周辺、内堀辺りからの麗しい景色も、

すべての命の証、エネルギーの結晶のように感じられます。

 等しく、踏み続けられて使い続けて幾層もの塗装が剥げて、

現れた檜の木地の輝きが美しく愛おしく感じられるのです。

畑に向かって風雪に耐えて錆びた亜鉛と鉄板の波板にも、

長年、手入れをされて、高層ビルに囲まれていても砂利砂を多めにして強さを保つ左官壁にも、

深みと感謝を感じて愛おしく、昔は想像しての理解でしたが、

「侘び」「寂び」を実感できることに、

隠居したり左遷された漢詩の作者から影響されてきた和歌や、

侘び寂びの美を提唱して伝えてこられた文化に、

普通にボケ気味の年相応の母や、不甲斐ない愚息に、感謝する日々です。

さあ、背筋を伸ばして無理することなく、整えて破綻することなく、美しい、

よりハッピーになる微笑み空間をつくりましょう。

令和、万歳!

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