よりハッピーになる微笑み空間をつくりましょう♪20230329

          「それでも少しづつ前に進まなければ〜その3」



 春の嵐のような雨天や初夏のような陽気や、

花曇りと変わりましたが、お元気ですか。

 ご無沙汰しておりました。

 今年は桜が卒業シーズンに満開となり、

久方振りの花見で賑わうのに加えて、

WBC、ワールド・ベースボール優勝で盛り上がってます。

数々の見せ場に手に汗を握り、

決勝の最後では決闘のようでした。そして緊張がほどけて、

歓喜のビール・シャワーが画面を超えてきて、

大物選手たちの燥ぎぶりにこちらも踊らされるようでした。

生きている、本当に生きていると・・・。


 さて、早くもクリス(Christopher Alexander; CA)が他界して一周忌となりました。

今でも、様々なことが思い起こされます。

 例えば、「建築組織、チームは、ベースボール型ではないか」というのが、クリスの論でした。

それに対して、「サッカー型だ」との異論は、クリスの教え子で、環境構造センターの先輩で、

日本環境構造センター所長だったハイヨ・ナイスからでした。

当方は、どうしてこうした議論をしているのかと、

ケース・バイ・ケースではないか思いつつ、ほとんど聞いているだけで、

他の院生が、その理由を各々に問うたりしていました。

 それから数か月後に思い当たったのでしたが、

その頃の環境構造センターは、大中小と複数のプロジェクトが進められており、

特に、クリスは「メリー・ローズ博物館」のチーム構成を思案中で、

ハイヨはクリスと「オレゴン大学教職員家族の住宅群」のチーム構成を

イメージしていたようであったと。

 それは、1990年12月のクリスマス近くでしたが、バークレーのフレンチ系のカフェで、

私が修士課程を終えて帰国する前日の夕方の、

こじんまりとしたミーティング?送別会?でのことでしたが、

名古屋市の「白鳥計画」の20分の1の模型を提出した後で、

クリスは上機嫌で、「直ぐに戻って来い」と見送りだったのでした。

 当方は、1984年11月に入間市の盈進学園の建築・建設現場を見学した後に、

12月から模型制作と実験補佐を主に担当して、

1985年1月に日本環境構造センターへ入所しましたが、

当時博士課程の所長ハイヨと日本代表の中埜氏が、その頃の事務所をまとめていました。

その様子から、更に、1990年以降のハイヨ担当の院生の(CES流)建築クラスの

様子から、サッカー型のイメージを重ねられました。

 学園の計画設計・建設の経緯から、またクラスの様子から、

どうしても、キャッチャーやピッチャーや、ファースト・・・レフトと、

ベースボール型のボールの動きがツリー構造のようで、

全体を構成し流れをつくるのにポジションが決まって、

一つのチームとして勝ちを取るのでは、外れてしまう、外されてしまうケースが出るようで、

深く力関係も影響して動的流れの中で、

個々の個を生かすのではなく長期的に全体の為に押し殺して抑制し、

全体的に弱い構造、弱いチームとなったりして、結果に影響を及ぼし得ます。

少しづつ、長く続くプロジェクトでは、

主にシステムや型を守り続ける伝統的な「結」のように上手くいくでしょう。

 自分が監督としてのポジションから、

個々を思うように働かせても、上には行かせずに、強弱、他と足して割るように戻して、

平らを保つようにです。

(最近では攻守とものパワープレーも決勝近くでは見られますが、特別なことですね。)
 
 この論議を発した、クリスの場合は、マチスの絵のように、

赤は赤、青は青と、境界に白を残して各々際立たせて、

個々が最大限の、潜在力も含めて、伸びるようにと、また、性格や個性をよく認識しながら、

チーム内の人員配置を熟考して、

また各々が全体に貢献できるように組織化していたと思い出します。

ピッチャー交代や、ファースト交代もあり得ますが、ファーストがピッチャーをすることは、

補欠の用意もあり、余程のことがない限り稀で、クリスが、

赤は赤らしく、青は青らしくと、また、夫々のポジションの大切さを説いて諭すのでした。

 勿論、チーム内のコミュニケーションは重要で、

ピッチャーでもファーストでもオープンな可能性もあり、周囲の声から副所長の意見に応じて、

「一つのパースを、二人に描かせてみて、パースに関しては決めることにしよう」と。

当方は、「白鳥計画」でクリスから学んだことを反映したのですが、

メリー・ローズ博物館には不向きなパースとなりました。

逆に、クリスの著作、”A Foreshadowing of 21st Century Art”の出版記念の際、

幾何学的性質の研究成果の源であった古代絨毯をクリスが寄付した、サンフランシスコ美術館で、

それらの展覧会を開催した時の、

会場インテリアを担当したアニーのパースが、ポーツマスの新聞見開きに載りました。



 さて、思い出話が長くなりましたが、

今回は、前回の盈進学園プロジェクトについての著作、

「BATTLE」についての所感の続きとして、

クリスが「BATTLE」内に含められなかった章を、ご紹介したいと思います。

 昨年の9月に、クリスを偲びつつも、

偉大な業績を称える祝賀会が、カリフォルニア州立大バークレー校内で

執り行われました。弟子たちは世界中で活躍してますので、オンラインでも参加できました。

 その直後に、ガーディアン紙のC.Alexander(クリス)の訃報記事を書いた、

パターン・ランゲージの共著者の一人であり、クリスの長年の朋友である、

オレゴン大学教授ハワード・デービス編集の2023年初版である、

代表的なクライアントのアン・メドックさんから

メールで紹介された書籍、からの抄訳です。少々長いですが。

(〇c 2023 selection and editorial matter, Howerd Davis;individual chapter the contributors....)

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡

「クリストファー・アレクサンダーの初期および未発表の著作
--------思考、構築、執筆 --------ハワード・デイビス編集」より、

25 「Battle 闘い」 未発表の章、2010年


  この草稿は、『地球の生命と美のための闘い』内の章の草稿である。 
これは、日本での盈進学園プロジェクトについて書かれた本
『地球の生命と美のための闘い-二つの世界システムの間の闘い』には、
最終的に掲載されなかった。
勿論、CA(Christopher Alexander)が本書で「システムA」と呼んだ、
ヒューマンで全体性のために設計と建築のプロセスを強化することが必要だが、
まだその規模が拡大していない建築文化と、
「システムB」と呼ばれる、美と全体性という共通の目標を持たないが、
非常に大きな規模のプロジェクトを生み出すことができる、
多様なエージェント、つまり建築家やクライアント、建設業者、資材業者、
保険会社、銀行、法規制機関などで特徴づけられる
今日の建築文化には大きな溝がある。
この未発表の章は、今日の世界において、
ヒューマンで美しい方法で大規模な建築物やプロジェクトを生産するには、
両方のシステムが共に機能することが必要であることを、
おそらくCAの仕事の中で初めて認識したと記している。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  盈進プロジェクトは、プロジェクト・パターンランゲージの開発、
敷地内でのプロジクトの設計とレイアウト、土地の整形と湖の形成という
最初のサイト・ワーク(敷地での作業)を含め、
ヒューマン・ニーズとサイト・プランにおける全体性の開発に焦点を当てたプロセスであり、
建築プロセスにおけるディテール開発とそれを造る職人の特定において、
CESの明確な実例である。
しかし、この2つのシステムを組み合わせた大規模なプロジェクトが他になかったため、
結局『BATTLE;闘い』に、この章は採用されることはありませんでした。

[ 1. Christopher Alexander, Hajo Neis and Maggie Moor Alexander,
The Battle for the Life and Beauty of the Earth:
A Struggle Between Two World-Systems, Oxford University Press, New York, 2012.
未発表の章の執筆は2010年頃まで行われていた。
2.Alexander, Battle, p.366.
3.『バトル』のこの章の出版に関して,
証拠の(不十分な)充足性に関するCAの見解について,明確に説明してくれた,
CAと緊密に連携してこのプロジェクトを担当したエグゼクティブアーキテクトである
Hajo Neis(ハイヨ・ナイス)に感謝する.]


 この著作集は、CA のアイデアの展開を明らかにすることも目的の 1 つであるため、
未発表の章の草稿を公開することは正当化されます。
これは、典型的な現代の建築文化に対する「完全に機能する代替物」の必要性に関する
CAの見解からの根本的な逸脱のように思えるかもしれません。
しかし、CAがこの章を含めることさえ検討したという事実は、
新しいアイデアに対する彼のオープン性と実証性を確認するのに役立ちます。

環境構造研究センターの許可を得て掲載しています。

大規模な建物の生産: 人間のシステムと物理的なシステムの統合


  System-Aだけでは、必要に応じて大量かつ高速な建設を行うことはできません。
System-B はそれを行うことができ、多くの場所で実証されています。
System-B だけでは、巧妙に調整された建物や空間を生成することを可能にする
繊細さと妙味さを惜しみなく提供することはできません。
そうしたことは、人生を生きがいのあるものにし、人の心を慰めます。
System-A はそれを行うことができ、何千年もの間それを実証してきました。
勿論、大きな問題は、それをどのように行うかということです。
システム B の力がシステム A の目的をサポートするために使用できるように、
どのように - 実際に - これが私たちの努力の焦点になることができるでしょうか?
この目標を明確に頭に入れ、
それを達成するためにシステム A とシステム B の蓄積を管理する方法を学べば、
目標を達成できない理由はありません。

 私たちの物理的環境に質と深みを提供するために、
新しく建設されるすべての建物全体で、継続的に、
適合が行われるようにする必要があります。
実際には、これは、適正な価格で利用できるスキルと職人技のレベルについても
確認する必要があることを意味します。 そして、


[4.「The Timeless Way of Building」から始まり、
本によっては、CES シリーズの本には、
タイトル ページの裏側に次のステートメントが含まれます。
[The Timeless Way of Building] は、
建築と計画に対するまったく新しい姿勢について記されている。
これらの本は、建築、建築、および計画に関する現在のアイデアに対する
完全な実用的な代替案を提供することを目的としており、
現在のアイデアや慣行を徐々に置き換える代替案を提供することを目的としています。]


(p.328)

これは、新しい生産システムに美しい建物を作る能力を与えることを意味します。
これこそが、私たちが盈進学園を建設することで達成したことです。
盈進学園を共同で建設するにあたり、
システムAのノウハウは環境構造センターから、
システムBのノウハウはフジタ工業から提供されました。
一緒に、私たちは成功しました。 確かに苦戦しましたし、かなりの困難もありました。
しかし、私たちは多くの人に賞賛され、学生と教職員の両方に
生活環境を提供する美しいキャンパスを構築することができました.

この過程で、2つの非常に重要な目標が達成されました。

(1) 低価格で施工でき、今までの常識を覆した。

(2) 作業は非常に高速で行われ、システム A の深遠で肯定的な属性を失うことなく、
   非常に厄介なスケジュールに対応しました。

将来的には、A と B がバランスのとれた役割を果たし、
一方の欠点が A と B の優れた品質を圧倒することが許されない、
恒久的で融合した新しい種類の生産システムを確立することが可能であるかもしれないでしょう?
何よりも、システム B がシステム A を弱体化させないこと、
そしてシステム A を弱体化させないことを確認するために、警戒する必要があります。

・・・ 

 まず、社会システムの背景を形成するための
社会的グループを確立する必要があります。  

 例えば、盈進学園の建設では、
主要な建物と建物群を担当する作業者のグループを設置し、
各建物を担当した作業者たちは、同様の作業の各グループで、
担当工事や(何々組というような)社会的意味に自ずと同一視できるため、
その特定のグループの活動の仕事に心を込めて作業するという思考を持っています。

 実際には、たとえば盈進学園では、
大講堂の構造体の骨組みを構築する作業者チームがありました。
別のチームが。それに協力して、武道棟担当のチームへも協力しました。
更に別のグループが巨大な体育館の責任を負いました。
もう 1 つは食堂棟と配達厨房施設の担当チームです。
高校の教室群は、それらの建物の作り方を学んだ一つのチームによって各々建設され、
そうしたチームは多かったです。
(二期工事で)大学棟〈呼称;補足)を建てたチームは、
教授や、より成熟した、議論やセミナーなどに参加する学生に、
特に親和性を感じて建てていたものでした。 ※()内は補足。

・・・

 重要な点は、職人の各グループがひとつのチームとして協力して、
その特定の詳細、人間の活動とスタイルを備えたその特定の建物の特異性を
維持する権利を持っていたということです。
建物は大規模な請負業者によって建てられ、
統一性のある材料と一貫した物理的特徴を持ち、
建物は機械的な流儀で造られていませんでした。
代わりに、各建物はそれ自体の特定の特徴であり、
その建物においてつくられた工芸品は、スタイルと気質において、
つまり、特定の作法と、その建物とそこで起こるべきことをつくるという
実際的な関係を達成することで、そこで発生し、生まれたのでした。

・・・

 この建築方法、建築職人のこの組織は、
各場所、つまりキャンパスの各オーナー(各棟が、)
最初から最後まで、首尾一貫した全体に責任をもって、
取り組んでいた数十人の職人によって決定された、
オーナメントの独自スタイルを開発する雰囲気の礎を築きました。
そして、(大講堂や武道棟や体育館といった)その特定の、
そして特異な全体の存在は、そのグループによって、その場所で、
喜びと共に、建物の種類、そして窓の種類、家具の種類、
光の種類、部屋の閉じた又は開いた性格、行われる予定の仕事(や行為)に応じて、
適応の結果としてもたらされました。
最終的に社会的パターンと組織と仕事のパターンを定めようとしていた人々によって、
それはそこで働く人々にとって理にかなっているように、
そして詳細は、大部分が学生または教授としてそこで働く人々によって
自身のために形作られました - そして実際、
これらの個々は、彼らの家へと形作り導くのを助けました?つまり、
独自の雰囲気を持つ特定の建物のクラスター、建物群の中の彼ら自身のコーナーをです。

・・・

 問題はこれです。
システムBの力を使ってシステムAの目的をサポートすることができるように、
実際には、生命が私たちの注力の焦点になるにはどうすればよいでしょうか。
この目標を明確に念頭に置き、
システムAとシステムBのリソースを管理する方法を学べば、
この目標を達成できない理由はありません。
力を合わせて盈進学園を建設したとき、私たちは2つの資産を持っていました:

(1)環境構造センターは、システムAのノウハウを提供
   しました(建築要素間の微妙な関係があり、微調整された適応を提供しました)。 そして

(2)フジタ工業は、高効率な施工スケジュールを維持するシステムBのノウハウを、
   正確で美しく詳細を施工して、提供しました。

・・・

この実験では、成功しました。
確かに苦労しなければならず、途中で非常に大きな困難がありました。
しかし、私たちはなんとか美しいキャンパスを建設することができ、多くの人に賞賛されました。
そして、それは現在の考え方に挑戦する価格で行われました。
また、システムAの深い肯定的な属性を失うことなく、非常に高速で行われました。
この事は、AとBが一緒にバランスのとれた役割を果たし、
一方の欠点が他方の優れた品質を圧倒することが許されない、
永続的で融合した創造および生産システムを確立することが可能であると
私たちに信じさせるのです。
システムBが今日の傾向のようにシステムAを弱体化させず、
それができないことを確認するために、私たちは警戒しなければなりません。

・・・

システムAは、世界を全体性で扱う方法です。それは柔らかで肯定的な人生哲学へと導きます。
それは建築の方法であり、人生の本質と人生の意味の髄へと、
私たちの世界を作り、作り直し、修復する方法です。
盈進学園の建設から25年(2010年当時)経た今でも、
地球上の多くの人々はこの目標に向かってわずかな一歩を踏み出しています。
1981年から1985年に見えた欠点の多くは、今日でも社会に見られます。
一部は悪化しています。

 System-Bは、世界のほとんどの地域で
環境を計画、設計、および構築するための主要な方法であるのです。

これら2つの世界システムの衝突は、20世紀の社会問題の中心に横たわっています。
現在および将来において、21世紀の世界の建築において、
この解決に成功する可能性を願っています。
それは、人間の懸念を真剣に受け止め、
これらの懸念の解決を、
物理的な景観と私たちの将来の文明で構築される構造において、
具体化する文明の基盤かもしれません。

 いずれにせよ、システムAの実際的な側面、
つまりシステムAで働くことの意味の運用上の定義は、
非常に簡単に表現できます:
直接管理が、もしも適応に対応する建設ならば、
私たちを全体性に向けて動かします。
動的な指導、指示は、幾何学的変換に基づいて、
工事作業者たちを全体に集中させることができます。
建築家によるデザインとは対照的に、
彼らの制作への参加は、全体性を出現させるでしょう。
この法則を絶対的なものとしてとらえたり、
狂信的な教義として扱ったりすることなく、
全体性は全体を通して何百、何千もの微細な適応に依存していることは単に真実です。
それがその生命の質の源です。

 全体性は、建築家、プランナー、
または職人自身が自分の手で作業を行うときにのみ起こり得ます
-そしてそれは直接管理を許す人間の組織内でのみ生まれます。
これが重要なポイントです。

 現在の形態のシステムBは、
システムAの運用をあらゆる場面で妨げる可能性が高いため、
システムBに直面した場合、
システムAのラインに沿って生産を達成するために必要な努力は
かなりのものであることを実際に見てきました。
しかし、システムBがシステムAと生産的に共存できることも実証しました。
このデモンストレーションは、
フジタ工業と私たちとのほぼ毎日の協力から生まれました。
確かに困難に満ちていましたが、それでも私たちは、
どうにかしてAとBの融合を作成することに成功しました。
盈進学園プロジェクトは、現場での経験に基づいて、
第2バージョンの準備のための最初のドラフト、管理、試験台と見なされるかもしれません。

・・・

 盈進学園プロジェクトの建築の経験により、
AとBの融合のためのいくつかの標準的な慣行の概要を説明することができます。
使用法やテスト(チェック)を用いて、および時間をかけて、
この構造は発展し、健康とバランスを回復するのに役立つ
生き生きとしたコミュニティを強力に支持して、
蓄積を提供することができます。
このような構造を開発するには、いくつかの理解が必要です。 (それらは、)

・ AとBの区別に現実性があることを認める。

・ システムとしてのAとシステムとしてのBへの理解。

・ 2つのシステムを一緒に構成する方法を有益な流儀で実証する、進行中の実験と、建設慣行の適応。

盈進学園を建築し、プロジェクトの仕組みを分析した上で、
プロジェクト開始時にシステムAとBについて議論し、
クライアントの希望、設計、建設がどのように相互作用するかを慎重に検討し、
可能な限り最高の環境を作り出すことが可能になりました。
現在、それらの融合が成功するために不可欠かつ実用的である、以下の慣行を特定できます。

・AとBは、望ましい結果を達成するために結合(融合)することを選択します
  :私たちが自分自身と私たちが作る世界を回復するのに役立つ集落、
村、町、または近隣。 この目標を達成するのに役立つものはすべて、
 設計、計画、および建築プロセスの一部にすることができます。

・ 工事全体は、両システムを代表する熟練のプロフェッショナルと職人が配置されています。

・ プロジェクトに関連するAとBの基本原則、方法、手順を認めた設計および建設契約が作成されます。

・ システムBのタスクとアクティビティの保護が確立されていること
  :Bスタッフは、いかなる状況においても、実験と適応が必要な場合に、
スタッフによる作業の必要な減速を妥協することは許可されていません。
 (契約金額内で工期を守るように。)

・ 望ましい結果についての共通の理解は、プロジェクトが進むにつれて現場で発生する問題、
 おそらく対立をすべてのスタッフが解決できる意欲とプロセスを奨励します。

・ 設計、コスト、施工の問題はすべて建設委員会で交渉し、
AとBの双方の代表によって実務レベルで解決され、クライアントにも相談する。

・ システムAは、環境が何を支えるのか、土地にどうフィットするのかがますます学ばれるにつれて、
新たなデザインには適応が必要になると予想し、
環境に生命と美を創造するために開発された主要原則を使用して設計作業を開始します。

・ プロジェクトの開始は、ビジョン、パターン、およびできるだけ多くの参加者を含めることを強調し、
プロジェクトを非常に広い基盤、つまりプロジェクト全体の進行を導き続ける基盤に置きます。

・ System-Bの工芸、貿易、サプライヤー、労働者のネットワークへの膨大なアクセスは、
System-Aの適応方法を使用して、慎重かつ詳細な建築作業に再配置されます。
システムBのリソースの最適な利用に関する態度の変化により、これは可能です。

・ システムBは単に図面から構築するものではありません。建設全体を通して、
設計と材料のテストにおけるモデル、
(原寸などの模型)と実験の使用を通じて、模型と実験の使用を通じて、
設計と材料のテストを可能にし、参加して、結果がペースと将来の住民の全体性を拡げることを保証します。

・ プレハブ材料(PC版など)に関連する手順や方法、
または費用を節約するために費用の少ない材料を購入することによって、
(熟考されて後で別問題を発生させない限り)適応のプロセスが損なわれることはありません。


適応しやすい材料が選択されます。
たとえば、プレハブ材料(コンクリート版、プレキャスト・コンクリート版)を使用する場合、
それらは高強度コンクリートで作られており、部材の切断、成形、および適合を可能にし、
必要な程度にすべてを異なる方法で組み合わせることができます。

・ システムAは、作業の継続的な検査を行い、未完成部分の設計に様々な修正を依頼します。
システム B は、作業の完了した部分に手直し、
引き裂きやその他の損傷を与えない限り、これらの要求された変更に従います。

結局、主な障害はおそらくお金であることが判明するでしょう。
私たちの重点は常に工事資金(契約金額内)の注意深い管理にありました。
実際には、これはいくつかのものが安価に投与されることを意味し、
その結果、(手が掛かる)複雑に解決する必要があるものに
費やすために資金が解放されます。
利用可能な余剰資金は、違いを生む詳細を更に強化するために建物に投資されます。333頁
プロジェクト(計画・設計・工事)の全員が適正に報酬を得るのですが、
利益、つまり株主に行く残りのお金には関心がありません。
したがって、以下を追加します。

・システムBは、
投資収益率の低い生活コミュニティというものを殺すのではなく、
その建設に投資することを決定しました。
 これにより、認められた労働力と新しい建設方法が可能になります。
したがって、生きているコミュニティは大規模に生産することができます。

AとBとの融合状態において、仕事している建築家の責任は何でしょうか? 
私たちは今、この質問に冷静な答えを出そうとしています。
私たちは、建築家として、地球環境に対する大きな責任に直面している専門家の一員として、
そして世界的な建設プロセスの結果に、
単独でまたは集合的に関心を持っている地球の一般市民として、質問をします。
世界の建築家であり、現在の社会に責任があると考える全ての人が、
システムAとシステムBに等しく基づいた新しい建築のアイデアを
進めるかどうかを自分で決めるのは、大部分が、私たち次第です。
この問題の真剣な議論を始めるためには、
まず、建築という職業が、システムAを排除してシステムBを支える上で、
現在世界中で果たしている大きな役割を認識しなければなりません。
これは私たちの時代の否定的な現実です。
私たちがそれを認識し、分析し、修理し、置換するまで、
私たちは、その質問に、真剣な答えを与えることはないのです。

・・・

この本の著者と私たちの多くの同僚は、
システムAが描かれた、暗示された、または顕在化された、
または求められた、多くの書籍を出版しました。
これらには、環境構造センターのシリーズの12冊の本すべてが含まれます。
これらの本に対する建築専門家の反応は、
これまでのところ静かで、時にはクールでした。
これらの本が説明するアイデアは、しばしば無視されたり、
建築家によって理想主義的で不可能であると特徴付けられたりしてきました。
シリーズが提唱しているのは、
現在の、現実には触れられない夢の世界として、説明されています。
要するに、建築家は、システムBが必要であり、システムAは夢であり、
21世紀の現実の世界でシステムAを実用的な方法で創造することは不可能であると、
その状態を維持する流儀を見つけました。
「はい」と彼らは言ったり考えたりするでしょう。
「システムAは小規模で実行できるかもしれません。
しかし、大規模で、世界に真の変化をもたらすのに十分な大きさでは、
コストがかかり過ぎます。
またはそれはあまりにも多くを要求します。または、変更が多すぎます。
それについて書いたり読んだりするのはいいかもしれませんが、
それをするのは不可能です。」

しかし、日本での盈進プロジェクトの成功(環境として)、
そしてシステムAを大規模に実施し管理することにおける私たちの実際的な成功、
つまり私たちが闘った社会的および経済的闘いは、
この議論が間違っていることを決定的に証明しています。
この問題についての事実として、
大規模なプロジェクトの実用的なレベルで、
システムAを実装することが可能であるということです。
それは今日、コストを増やすことなく、
そして時間を増やすことなく、大規模に行うことができます。

プロジェクトはどのようにしてうまくいきましたか?

この質問に対する答えは非常に重要です。
なぜなら、私たちが最終的におそらく80%満足していたのは事実だからです。
そして、今日のゼネコン方式であるSystem-Bでは良い結果が得られないことも事実です。
この明らかなパラドックスをどのように解決すべきでしょうか?
いくつかの考慮事項があります。

まず、土木工事の段階、つまり土地が形成され、湖が掘られ、
建設現場が地面に設立された重要な時期には、
私たちが完全に責任を負っていたことを覚えておく必要があります。
当時、システムAは完全にフォローされていました。

第二に、建設はゼネコンとの請負契約と、
覚書と呼ばれる2番目の契約の2つの契約で行われたことも
覚えておく必要があります。

 この覚書Aが、建設に対してかなりの力を与えてくれました。
実際、私たちは混合契約と呼ぶことができるものを持っていました。
主にゼネコンの範疇ですが、部分的に直接契約なのです。したがって、
週6?7日、毎日大量のオンサイトチェックを行うことができ、
多くの変更と微調整を行うことができ、
何百ものモックアップ(グアッシュやポスターカラーで候補の色付けをした模造紙や
ボール紙などでの原寸模型)を造り、設計を改善し、中小規模の多くの部分に
新しい設計を提供することができました。建設段階にです。
そして、(時間やタイミングや契約見積額)制限内で、そして私たちのプレッシャーの下で、
フジタ工業は私たちの要求に応えてくれました。
したがって、建物と景観は、単に図面から建築された場合と同じではありません。
これは、完全にBでも完全にAでもない、混合された状況下で行われました。
私たちの観点からは、Aの下では十分に行われておらず、
Bの観点からは、建設中の建物と景観の絶え間ない変化と動的な進化により、
建設は「普通ではない」方法で進行しました。
これは、プロジェクトの成功に大きく貢献した混合契約という状況の形で、
システムAをシステムBに注入することです。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡

 お疲れさまでした。
 
 こうして、一口づつ咀嚼して飲み込み消化するように、

少しづつ、AとBを融合させながら進める中で、重要と考えられるのは、

AにもBの部分があり、BにもAの部分があるので、

理解し合え相乗効果もあり融合できるわけで、

全体性をどのように捉えるかが、

AとBの相違点でもあるのでしょう。

環境を愛でると、自ずと環境に愛でられると感じられるか、

絶縁して破壊しようとするのか、

金継ぎされて深みが増し、唯一無二と、より価値が高まると捉えるか、

ヒビが入ったので捨てようとするのか・・・・。

学園の方針にもつながる

SDG‘sが、永遠の命につながり、生命のために向かう方向が間違っていないと

応援されているようですと、

 天国のクリスへ心よりの深い感謝を込めて、祈ります。


その後も、闘い続けたクリスの活動が伺えます。どうぞ、こちらから↓

https://www.buildingbeauty.org


 次回をお楽しみに〜♪