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 よりハッピーな微笑み空間をつくりましょう!
20210303

     「板橋の空の下、石神井川は流れる」
           その1

            
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 梅の香る頃、三寒四温の陽気ですが、

疫病除けに気を使う一年が過ぎ、

年度末も近づいて参りました。お元気ですか。

 大変ご無沙汰しております。<(_ _)>

 今回からは、小規模アパート建替工事の実例をご紹介したいと思います。

  
                                 

1.   川と地域の再生からの感銘 〜☆彡

「板橋の空の下、石神井川は流れる」と、

緩やかに下る旧中山道、仲宿商店街通りの橋の袂で、

数十年にわたる整備後の風景に感銘を受けました。      

練馬に転居する前、

帝京幼稚園入園前から、

第三小学校
年生の夏まで暮らしていた頃は、

加賀近くの亡き父方の祖父母に会い、従姉妹と遊んだ帰り道で、

川に近づくと異臭がし、日によっては眼が開けにくい環境でした。

それが、川沿いの戦後の復興の下支えを担った数々の工場が、

国の方針ともなった脱公害、都民代表からなる都議会からの声、

各行政指導の下、適切に地方移転となりました。

それから川は、

伊勢湾台風時には洪水となった蛇行する流れも確りと治水されて、

蘇りました。




 

 川辺は美しく整備されて親水性を保ち、

その地名の由来となっている、

旧板橋宿の江戸の香りを残した「橋」から練馬方向を見て、

川岸の桜並木を見るのが楽しみになりました。

この街区の川とは反対側の道路に面する

小規模アパート(築
30年近く、前庭付き2階建て、木造枠組プレハブ)の建替です。



 

2.   どこか懐かしく新しい木造共同住宅 〜☆彡

 川辺の上には青空が広がり、道路整備が進み、

3階建てのボリュームで、密集しない健全な地域となり、

3階建ての高さ規模が敷地割りや道路と美しいプロポーションを保ち、

それにより住環境として調和が図れる全体性の方向に向うと感じました。

 そして、「フランスやイタリアの下町ではなく、ここは板橋」と、

親しみ易く馴染め、しかも憧れも大切にし、賃貸住宅の経済性も考慮して、

蛇行する川付近にあり、2回の土地改良された敷地だが、その地盤耐力から、

比較的軽量な木造で、風土にも馴染み、蓄積のある軸組工法が適切と考えました。

 この生きている住環境の細胞ともなるユニットは、

様々な組み合わせで、例えば、

ユニット並列で、ユニット田の字プランで、

低層階は鉄筋コンクリート造で中層ボリュームにと、

今後、展開され得るものです。


. 地産地消で 〜☆彡

 可能な限り、流通に掛かるエネルギー消費を抑えて、

循環型の生産・消費のサイクル、

産地側と消費地側との持続的関係に貢献し、

世界的新型コロナ禍に影響されて、

米松など入手困難な状況もあり、輸入材は最小限にして、

主に飯能産の西川スギを構造材としました。

TAAF練馬支部で
2014年に飯能工場まで見学に行き、

常々、用いたいと願っていました。

それが、新たなシステムへの切り換えの発端、決断となりました。

消費者にとっては

ブラックボックス(各材価格は黒塗りの見積内訳明細)で、

職人を守るためと言う建設会社等が仕切る

木材流通の利害関係者からは、嫌われましたが、

木材生産・プレカット工場・木材販売の明快なシステムが、

老舗でも元々の先端を進む姿勢を保つ誇りから、

新しいシステムを吸収しているケースもありますが、

江戸時代から続く取引慣習からの、

闇のコントロールのない健全な生産流通システム、

戦後に植林された国産木材の消費が享受できる持続するシステムを、

選択できることで、

国の補助金は当計画では時期がずれましたが、

国産材がダブつくことなく、

人手がかかる格付けや品質保証や材の価格が、

消費者にとって闇にならないようにと願いつつ、

それが結果として、林業を支える消費につながると考えてました。

4. 保護主義に偏るのではなく 〜☆彡

 それでも、構造材は主に国産材ですが、

床材は、全面的にビルマ・チークを用いました。

当初、ミャンマーの経済、民主的国家を応援するという意識はなく、

その建材広告を見て憧れの木材に直に触れたいと、

粗さもあるが確りと加工され防腐塗装されたサンプルを手に取り、

その重さを感じ、触れたのが切掛けでした。

それ以来、4階建て以下の木造賃貸共同住宅で、

落ち着いて、ローンの縛りも無い、

それが、その暮らしの空間の質を保つ指標となり、

このレベルに合う空間をと考え続けました。

それは、中産階級的ということではなく、

そこの土地に合い、人に合った、時を超えて、

伐採された貴重な木の命を慈しむ安らかさに癒されるような、

互いに見守られるような天然の温かさ、

深み、安定した強さを意味してます。

5. 程よく馴染む空間 〜☆彡

 戸を動かすことが億劫にならない、

掃除や手入れが大変にならない、

そして、安眠を保証できるベースとなる空間、

決して緊張することのない居心地の良い空間が、

空間ボリュームとしても丁度よく、

エアコン1台とファンなどで四季を乗り切れる、

エネルギー消費として経済的でもあり、

確りと包まれるように断熱されて、

空洞セラミックビーズが骨材のガイナ塗外壁等で、

遮熱・防音されている空間で、

無理のない自らが尊重されていると感じられる空間を

目指しました。

 

6.美しい木造階段空間を 〜☆彡

 令和元年
6月の建築基準法改正から、

自動火災報知設備を備えて、

基準を守った木造の階段空間が可能となりました。

多分に、強化石こうボードに頼ってますが、

木造に、鉄骨階段や鉄筋コンクリートの階段と、

不釣り合いになることなく、

平面的に混構造でなく、建物形状や耐震性も損なうことなく、

木造建物に軽量鉄骨階段などが晒される外観となることなく、

ベースの都市住宅の要となる屋内木造共用階段で、

住環境にかなり貢献できるようになったと励まされました。


    

7.机上の線ではない道空間から 〜☆彡

 道路を境に、

低層住居系地域と中層も可能な準工業地域と分断されたり、

道路は近隣商業地域の中心でその両側は高層も可能だが、

それに接して裏は低層住宅地域と、

荒々しい用途地域計画だと常々感じてます。 

そして、仲間や友人たちとのまち歩きの時だけでなく、

新コロナ禍中で、犬と散歩をしている時に、

人が阻害されているような、

通過するという単一的行為のみ考える道路のあり方ではなく、

気持ちの良い道空間のあり方について考え続けています。


道路の片側が高い建物で、他の片側が低い建物と、

その建物形状もビルと木造戸建と異なり、

道空間が残念な結果になっていると映っています。

故に、江戸時代からの街道の美しい道空間を見習って、

道空間と建物ボリュームとの美しいプロポーションのみではなく、

その断面の形が重要で、道の両側が対称に近く、かつ、

机上の都市計画図の色分けのような緊張感をやわらげ

コントラストを抑えて、

寛容で柔軟な穏やかな空気が醸し出されることを願いつつ、

尊重しあう混合や融合を狙い、

建物形状や建物配置、ボリュームを決めてます。

色彩については、旧板橋宿地区計画のルールを尊重し、

江戸の香りの「旧板橋宿」を紹介する、その橋の袂の案内板や、

前田家加賀藩下屋敷に立ち寄り狩りをする殿様を思い描き、

フレンチやイタリアンのレストランの地元に馴染んでいる感じと共に、

小学校の時にも食べた記憶のある蕎麦屋さん「長寿庵」からの響き、エコーの中で、

建物の全体性は生成されています。

 

8.戸建の重層に 〜☆彡

 各戸の独立性を大切にした、

フラット型の共同住宅そのものが前項「2」でのユニットですが、

各住戸は戸建のように独自性を持たせて、

そこに住む人を想像しながら、

木造で、パネル面材を多用しているので、

遮音・吸音と音環境をコントロールし、

門、植栽や宅配ボックスのあるアプローチ、エントランスドア、

明るい屋内階段、そして玄関ドアへと、

パブリックからプライベート領域へと階層的につながります。

 設備配管も可能な限り独立性を大切にし、やはり、

デジタル
TVアンテナ、LAN配線は整備しても、各自の選択の余地は残してます。

 筋力が衰えないようにと願いつつ、

数年後には、怪我した時などアシスト装具が手軽になることを願い、

老化細胞除去薬が一般化して、

健康的に行動の自由を保持することを目標として、

順当な建物高さ、階数で、地面からの気が及ぶ樹木の高さで抑えてます。

  エレベーター無しで、時間を気にすることいなく帰宅する、

例えば医療に従事される方々を癒せて、

長年、安定して落ち着ける空間を目指しました。

9.住み手の願いから 〜☆彡

 こうしたことは全て、

素晴らしい経験豊かなクラフトマン・シップにより、

実現できています。

シンプルさは複雑な納まりや熟練技術に支えられているのです。

考えるような手と英知が詰まる脳が神経でつながっており、

そうした気、エネルギーが満ち、生命ある全体性となっています。

その基は、創造エネルギーを無駄にすることなく、

つまり出来るだけ経済的に、しかし利潤追求が第一主義ではなく、

住まい手が望むものを的確に得られ、

又は、期待以上に得た時の、ハッピーな笑顔の為であり、

道行く人を励まし、出掛ける時、

或いは帰宅時に迎えられて、

浮かべる穏やかな微笑みの為にあるのです。

より大きな命に向かって、数々の個々が育み合うような、

生きているプロセスの中で、

メーカー品を上手く用いてそれらに支えられ、

施工者の知恵や助言も尊重しつつ、

当初からそれらの為にあるのではなく、

その安易さや利益の最大化の為ではありません。

それは真面目で清々しい、心強い職人魂を生かし、

それらを集められる強固な元請の力によって具現化されています。 

こうした誇れる技術・文化が永続するようにと、

強化石膏ボードや構造用石こうボードの重量に合わせて、

重機や人手のコストを掛けずに、強度は損なわずに、

手軽な搬入や施工し易い寸法の面材にと、

選択できるように、生産流通体制が整えられたり、

人体の筋力を程よくアシストする装着具が、

近い将来には利用できるようにと切望してます。

例えば、柄のない無地の壁紙で全て貼る方が、

各部屋異なる柄合わせの必要もなく、

材料も手間も最小限に省け、利益率も上がるでしょう。

限られた工期の中、柄合わせは適当にと言っても、

「合わせるのが腕の見せどころ」と。


 施工者、工務店の健全な存続は長期的に肝心な要です。

メーカーの蓄積や技術開発の恩恵を受けつつも、

その操縦下になることなく、

最終的に「こういうもんだ」と決めつけることなく、

最も相応しく美しい空間とすることが、

全ての創造行為が苦しくも楽しく、

その行為自体に癒されて、その結果に報われる、

飽きのこない長年大切にされる空間となり、

その維持のためにも施工者の代々の存続を願い、

健全な関係が築けるでしょう。

 その時には利益率軽視でも単なる我儘によるものではなく、

各空間の陽の光に合って、窓の外、窓そのもの、窓のある空間と、

その空間の中央に温かい光が生まれるようにと、

各部屋のつながりと、各住戸の全体性と、各住戸からなる建物の全体性と、

その建物の内部と外部が陰陽のように一体性を持ち、

それが道空間を形成し、その地域の命を強化できるようにと、

その深い理解を求め続け、願いがあってこその実現でなのです。

10.全体性を強化し続ける生成プロセス 〜☆彡

 各分野が偏ることなく

一体となるように問題解決し、矛盾を解きほぐし、

萌芽を育てるような、その命、存在を強化して育てていく、

生きているプロセスに拠っています。

 意匠・設備・構造と、

それらの専門知識の社会的蓄積の恩恵を大切に享受して、

コンピューター、デジタル化、ITによる情報システムのベースから、

そのソフトメーカーや民間審査機関の指導や助言により、

すぐに更新されて高くつく高価なソフトや設備が無くとも、

その分化の前のようだが、

更に進んだ建物の全体性、一体性を、

生きているプロセスの中で生成できると信じ進めており、

それらの発明者、開発者や技術者や監理サポート者への

感謝の気持ちで満たされています。

 そうして、よりハッピーになる微笑み空間で、

美しい日常生活をと願いハッピー!

⇒次回に続きますので、お楽しみに〜♪(@^^)/~~~

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