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よりハッピーになる微笑み空間をつくりましょう♪20150112♪
〜〜根本的な分化のプロセス〜〜
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寒中お見舞い申し上げます。
明るい日の光の下で、水仙の花が早春を感じさせる頃となりました。
いつも、不定期な気儘な刊ながら、寛容に読んで頂きまして、どうも有難うございます。
厳しい寒さの頃ですが、昨年の夏を思い出します。
久し振りにJIA城北地域会のまち歩きで、
更新されて見違えるJR田端駅北口から徒歩2分の田端文士村記念館から、
2007年から2008年にお伝えしていた都市計画道路建設のため移設された赤札仁王尊のある、
また不忍池や谷中から続く七福神の福禄寿がある東覚寺と八幡神社をまわり、
板谷波山の碑や、芥川龍之介の碑、室生犀星が引っ越しを繰り返していた周辺など、
地図の上が、作家や芸術家の名前でにぎやかな地図と、
海抜も示されて丘陵地と谷地や泉や川などの水脈が描かれている自然地形図を見比べながら、
田端銀座から駒込駅へとめぐって来ました。
その地域は、数年前に都の区画整理事業期間中、中高層建物の建て替え計画のため、
何度も通って調べて、打ち合わせを繰り返した地域です。
工事は終了して落ち着いていても新旧の差が激しいところです。
建築家として携わった建物も、基本計画・基本設計の80%は生かされて、
辞退に到る融資100%への資金計画の大幅変更から、
事業主判断により銀行誘導で設計施工で実施設計され工事に進み、
そこに建ってるのを目にしたのでした。
その施主の方らしさも醸し出されて、実施設計に近い基本設計が、
バルコニー部分は周囲と同じような飛び出し型に変えられて、
地上からや童橋からの街路の全体景観を重要とするアレグザンダー教授の教えからは逆の結果になっていましたが、
そのバルコニーの在り方以外は、ほとんど設計が生かされていたのは嬉しかったですし、
その銀行による誘導やアレグザンダー教授の教えと反対方向に実行することが出来ない立場として、
その時点では致し方ない道であったと感じました。
しかしながら、次に生かそうと形態的に良い方向、より良い方向に向かう構造を保持しながら、
様々な可能性を検討し続けております。
実際、耐震化に伴って、飛び出して街並を損ねているマンションのバルコニーを、修復する機会はあるでしょう。
七階建て鉄筋コンクリート造のケースから、11階建ての鉄骨鉄筋コンクリート造のケースまでの、立面図です。
どうぞ参考に、こちら↓でご覧いただけます。(涙で滲んでいるような文字ですが。)
http://www.smilingspace.com/homepage1/work-Tabata2.html
前段が長くなりましたが、前回の続きとして、
「ポピーレーンの家」の続きについて和訳を進める前に、
深く関連する生成プロセスについて、
胎児への成長プロセスと同様な基本的な形態分化プロセスについて再度、理解してから進みたいと考えます。
クリストファー・アレグザンダー著「The Nature of Order BOOK TWO」の204ページからですが、
このメールマガジンシリーズでも何度か取り上げているところです。
さて、以上から204ページから、「ポピーレーンの家」をその例として挙げている章213ページまでです。
さあ、始めましょう。
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「 1/定義 (p.204)
全ての生きているプロセスである自然界を調べて、
建物の世界における生きているプロセスについての定義を与えるための準備は整いました。
(「The Nature of Order BOOK2」のp.202までを読まれたい方は、
どうぞ、こちらでご購入を→ http://www.natureoforder.com/ )
下記のように定義してみましょう。
生きているプロセスは、一歩一歩、既存の構造を保存しながらの変換を通して、
生きている構造を生成する、何らかの適合(適応)プロセスである。
前章で述べた通り、単なるトライ・アンド・エラーの試行錯誤ではなくて、
よりずっと生成された構造を扱うのです。一つの建物の中で、生きている構造が生成される時、
どうにかして普遍的な秩序の有用な要素が、ゆっくりと、多くのスケール段階で、
生きている構造を出現させ、更に、これは、
既存構造を保護しながらの変換とこれまで呼んできているものを通して起きているとみえるのです。
これを起こすプロセスは、複雑な視点を持っています。
いくつかは、8章から17章で扱われています。
しかし、何が起きているのか広く一般的な全様無しにそれらの視点を理解するのは難しいでしょう。
解り易い言葉では、このように言えるでしょう。
生きている構造が生成される時、それは単にトライ・アンド・エラーによるものではなく、
寧ろ、プロセスが、段々と、一つの一貫した全体が現れるという特徴を持っているということです。
各段階で、そのプロセスは、前にそこに在ったものの全体性を保持します。
しかし構造の展開の各瞬間において、加えられる、
まだ(構造の裂け目の中で)眠っている個々の構造から、
その変換も、全く新しい何かを創造する力を持っているのです。
こうして、プロセスは、奇跡のように思えますが、前からそこに在るものを尊重するが、
同時に、前にはそこになかった何かに向かって、新しい方向へ構造を向かわせるように遂行するのです。
そして、これは、新しい構造の勝手な恣意的な、気儘な挿入や付け加えでは決してなく、
既にそこに在る構造の最も間近かな状況を引き寄せることによるのです。
それらは、そこに潜伏しているのです。
しかし、それらはまだ、眼には見えず、顕在していないのです。
2/ 個々の階層と増大する成長のプロセス (p.204)
この定義を詳しく述べ進める前に、一つの重要な精妙といえる難解さを認識しなければなりません。
主要な大都市においても、一つの都市においても、一つの村落においても、田舎においても、
いずれでも、生成された生きている構造は、
一方から他方へと行きつ戻りつする2種類のプロセスの相互作用により出来るのです。
(1) 個々の設計または建設の、それぞれが、部分的に完成される、ひとつのセンターにおいて、
創造的プロセスの自制された類のプロセスがあります。
一つの建物、一つの店舗、一つの部屋、一つの庭園という一つのセンターですが、
いくつかの領域の一つのセンターが、初めから最後まで、考えられて、思い描かれて、設計されて、そして建設されます。
創造の局面的プロセスは、一つの完結したセンターを創り出し、大きくても小さくても、構想から出来上がりまでです。
それは、一つのコントロールされた継続する流れの中で、成され、
そして、それは、大体の継続した時間の流れの中で成されます。
それは、完成の日付を持つのです。
(2) 少しづつ、より大きな構造を形造る添加して融合して、それを積み重ねるプロセスが在ります。
街路や、建物や、店舗や、橋や、庭園といったいくつかのセンターが、加えられたり、修正されたり、
街路や近隣地域などのより大きなセンターを創るこのようなやり方で、蓄積されていきます。
創造の加えられ修正され融合され積み重ねられていくプロセスは、時間と場所において、段々に進展します。
多くの異なる人々によって、独自に導かれていきます。
添加し修正し積み重ねる作用は、段々と一つの一層大きな全体を創造するために貢献するが、
この包括的プロセスは通常、始まりや終わりは限定されず、
完成の日を持たないのです。
私たちは、事を成す包括的計画は、森が成長するプロセスのように思えるかもしれません。
加え修正し融合し積み重ねるプロセスと、局面的プロセスの両方があるのです。
一方で、一連の流れにおいて、たいてい任意で、広大な(時々、複雑に入り組んでいる)森の既に在る構造の中で起きる、
変化に富んだ個々の成長の作用において、一つの全般的な大規模のプロセスがあります。
2番目に、よりコントロールされたより局面的プロセスの幾千もの段階があります。
それは、種から始まり、有機体の完成で終わり、そのDNAの影響下で成長する単一の秩序として起きる、
大変秩序立った一連の流れがある、与えられた現場で起きる各々の局面があるのです。
森でも都市でも両方において、加え修正し融合し積み重ね増大するプロセスは、
局面的、個別の成長の幾千ものプロセスによって、造り上げられます。
そして、両方のケースで、それは、生きている結果を生成することが出来るのです。
生きているプロセスのいかなる定義も、プロセスの両方の種類を考慮に入れなければなりません。
全ての生成するプロセスは、それらの二つの型において在ります。
ここで、グァテマラの山岳地方で農夫によって耕作され形成されている段々畑の写真をご覧になると、
段々畑の一つの段で仕事をしている一人の農夫が見えて、
彼の仕事が見えて、他の成果が見えて、それは段々畑となり、
又は、ひとつの丘全体となった段々畑を修復しているのが見えます。
ここで、私たちは、個別のプロセスと、一つの増大するプロセスの両方を見ることが出来ます。
その個別のプロセスは、この農夫が、鶴嘴でこの時にしていることで、地面を形づくり、土を掘り返して軟らかくし、
排水路の勾配を整えて、滑らかで草が生え易いように、種まきが出来る状態にしているプロセスです。
そして、彼(他の人にとっても)の頭には、
それをすることで、一つの表れてきている全体を建設するのに適合していく個別の活動作業が属する、
より大きな、加え修復し融合し積み重ね増大するプロセスも、その時に、在るのです。
丘陵において形成された段々畑の偉大なパターンは、一人の農夫によって形成されたものではなく、
しかし、全体を形成するのに貢献できるように個々のプロセスの協働的で知的な適合によって、
形づくられるのです。(p.205)
(p.206)
しかしながら、最後の段落の論理において、読者は一つの変則に気が付いているかもしれません。
若しも、誰かが、加え修正し融合し積み重ねる、
増大するプロセスと局面的プロセスの二つの基調となる作用の間の区別において、批判的に見ると、
一つの避けがたい区別できないぼやけを見るのです。
森では、私達はこれを見ることが出来るのですが、
例えば、一つの代の後に次の代と、単一の有機体におけるプロセスである3番目のプロセスもありますが、
それ自体が継続的に補充されて修復されるプロセスでもあります。
修復と維持のプロセスは、もう一度述べますが、より大きな既にある全体が生きられる為に、
その中で、創造される新しい細胞(又は幹や、葉や根や小枝)であることを確かとする、増大するプロセスなのです。
しかし、この創造的な増大するプロセスは、大きな森の中だけではなく、
一つの既に在る有機体のいくつかの部分の中で、今、正に起きているのです。
それは、個々の有機体の間で内部に起きている増大するプロセスの一つの局面的バージョン、型なのです。
その例は、一つ重要な真実を示します。
それは、全ての生物的出来事は、個別の(一段階で)創造的プロセスと、
(何らかのより大きく育っていく全体を尊重して)包括的に増大するプロセスの部分でもある両方で、
起きているのです。
実際の都市を創る生成するプロセスも、この特徴を持っています。
全てのプロセスは、一つのレベルで一つのプロセスで、
別のレベルでは、一つのより大きな増大するプロセスの部分です。
(部屋や建物や玄関口といった)部分として建てられる何かは、
(近隣や庭園や、街路といった)一つのより大きな全体の(大変ゆっくりとした)確立や創造やメンテナンスの中で、
一つの小さな部分として、全体に貢献して振る舞うものでもあるのです。
これは、建設される環境において全ての生きているプロセスの性質です。
全ての規模で、全ての形成作用は、局面的であり包括的であるのです。
創造的で完結し、そして、増大し未完であるのです。
全ての一つの大きな建物は、
設計と建設の単一のプロセスとして視野に入れて、度々、建てられるにも関わらず、
それ自体、包括的に局面的に両方で個々が、
(敢えて言うと、)50000のプロセスの階層性から、造られているのです。
50000プロセスの其々が、(建物中の中で加えてより大きな全体へ貢献していく)包括的に増大するものであり、
(それ自体の領域の中で、例えば、一つの部屋の設計や、壁パネルや階段の完成など)
局所的に創造していくものでもあるのです。
(p.207)
全く如何なる生きているプロセスにおいて、
進んでいくそれらの2つの方のプロセスの階層性があります。
8章の最後に近くで、示された物理的に小さな例(p.188,メルマガ20140813号)
でも、マチスによる絵画の展開(p242-243)でも、夫人の髪型の一つ一つの塊の形成においても、
この二つのプロセスがあります。
それは、個々のセンターを創造し、しかし、女性の顔において形成されていく、
より大きなセンターの部分のいくつかでもあります。
一つの絵画の描かれるプロセスも、より大きな例として、
何千万というプロセスから形成されている都市、パリを通して、
ずっとより大きなプロセスの一つとして見るかもしれません。
いくつかの橋が形成されて、橋の間が形成されて、排水溝が形成されてと。近隣が形成されて、
近隣の中が形成されて、いくつもの建物が形成されます。
建物を形成するために、いくつかの部屋や、いくつもの屋根が形成されるのです。
部屋はいくつかの家具で形成されて、個々の椅子やテーブルが作られて、部屋の家具を形成します。
繰り返しますが、上手くとも拙くとも、数本の脚や天板やキャスターや装飾といった、
いくつかのセンターをつくるプロセスによって形づくられます。
センター形成におけるこの階層性が、
一つの型で、或いは、もう一つの別の方で、世界の全てを創造しているのです。
私たちが尋ねなければならない唯一の重要な問いは、
若しも私たちが生きているプロセスに、生きている構造を生成するプロセスの受容力に焦点を当てていると、
それらのプロセスが加えて増大させていくのかどうか、
何らかの首尾一貫している、生きているプロセスが起きるのかどうかということです。
それは、大部分において、より小さなプロセスが、それが一つの部分で作用する中で、
より大きな全体の発明と創造へと貢献しながら、
各々個々のセンターが思い描かれて、形づくられて、上手く建てられるかどうかと、
より大きな全体への形成へと上手く貢献する、広がり、範囲次第なのです。
3/ 秘密
ここで、私達はその秘密の核心に辿り着きます。
15の(幾何学的性質として把握されている)構造保存変換は、
保存するための力と創造するための力を持っているのです。
大きな規模で首尾一貫性を生成し、それが新しい首尾一貫性の生成であり、創造なのです。
しかし、それらは、既存を保守し、現在から未来を引っ張るのです。
更に、それらの15の変換は、シンプルですが、
美しい本質的幾何学を備えた、大きな、或いはより大きな全体の秩序立てられた様相を保証するのです。
無作為で行き当たりばったりの構造の集まりをつくる代わりに、
それらは、局部と大規模なところの両方で、莫大な力で美を繁殖、増殖しているのです。
これが、全ての生きているプロセスの秘密なのです。(p.207)
(イエメンのアッカの写真で、個々のプロセスと増大するプロセスの両方での創造が見て取れます。
「The Nature of Order BOOK2」でご覧になりたい方は、
どうぞ、こちらでご購入を→ http://www.natureoforder.com/ )
4/ 分化 (p.210)
一つの生きているプロセスを理解することは、
私達が、空間の分化によって生きている構造を達成することを助けます。
さあ、考えてみましょう。
詳細には、どのようにして、空間は実際に分化していくのか、
どのようにしてある人が、確りと動いて分化していくプロセスを用いていくのか、
何度も何度も、目の前の半分だけ形づくられた構造から、
首尾一貫した構造へと完全に創り出すのでしょうか。
私たちは、それと同じ例として、人間の胎児への細胞分裂を理解するでしょう。
一つの境界の創造により、より強く、より首尾一貫させられていく一つのセンターの例です。
構造の創出において、一つの確かな場面、段階で、どこかに、
その場面の直前に一つのセンターがあると仮定します。
それによって、私が意味するのは、それが、存在を感じることが出来た誰かのセンターですが、
それは、まだあまり、強くもなく、首尾一貫もしていないものです。
それから、私達は、その周囲に一つの境界ゾーンをつくることにより、
センターを強化する可能性を持つのです。
私達は、(BOOK1の5章参照、)センターの強さは、
この境界が大きい場合に増大するであろうということを知っています。
従って、境界を強化することが、私たちが、そうすることで、
既に存在している弱いセンターが、より強くなるでしょう。
さて、繰り返しますが、この境界が強められ、若しも既に境界があり、
その中の既に在るいくつかのセンターが強まるならば、
強いセンターの二つのシステムが在る場合、更に強められ、
そしてそれが、そこで一つの相互の繰り返しを形成するのです。
私たちは、それらのケースで、どのように(15の変換の利用を通して)分化によって、
直前のいくつかのセンターが変換するであろうか、見て取れます。
それは、このようにして、
一つの全体をより強烈により生命力があるようにするセンターのシステムです。
同様に、15の幾何学的性質の他のも、意味のあるものとなります。
例えば、ポジティブ・スペースと相互の繰り返しを使うことは、
一つの特徴的な地帯を、
或いは、一つの弱いセンターを形成していた空間の規模で、センターを強めるでしょう。
又は、相対的に、一つの境界の強化する結果が、
変化率・グラデーション(GRADIENTS)を使うことにより、
より強烈になるかもしれません。それは、その効果を増大させるのです。
または、グラデーションを形成している2番目のより小さな境界が、
元々は弱いセンターが、強度を育んでいけるように、より強くなるために、
スケールの段階(LEVEL OF SCALE)も招くでしょう。
それらの変換について二つの事項が、気づかれるべきなのです。
第一に、それらは純粋に数学的です。つまり、フォーマル、正に形態的で論理的です。
それらは、それ自体、空間の性質において、それらの唯一の原型を持っており、
「機能」の一つの結果としては起きていないということです。
それらは、すべて本当のケースでは(建物、生物学的システムや物理的システム)では、
機能への奉仕において、用いられています。しかし、元々は、それらは、機能的ではないのです。
それは、その空間が分化されることを通して、空間の命が増大することを通して、
純粋に、それ自体、空間の変換です。
第二に、それらの変換の適用の一つの結果として、その全体の命が増大するということです。
私が意味するのは、命が起きるようにと望んで、それらの変換が、眼をつむってでも適用され得ると、
意味しているのではありません。 それらは、常に適切でなければなりません。
それらは、機能に奉仕するよう振る舞わなければなりません。
それらは、常に、局面の適合などへ注意を払い請け負わなければなりません。
これらの事項は、後の章で取り上げられます。
けれども、こでが本質的な点なのです。
原理として、絶え間なく着実に生きている構造に向かっていくシステムを
軽く刺激して呼び起こすことが出来る変換のシステムを持っているのです。
そして、それらの変換は正確に、それら自体のいくつものセンターの命を、
このことから(いくつかのセンターのシステムである)全体性をも左右するそれらの変換なのです。(p.211)
5/ 美しい形の出現
そのポイントを納得するために、ただ図式的なものではなく、
それこそ変換の働きだと見て取れるところで、
変換の一連の流れから分化によって私達が美しい物が現れてくるのが見えるところで、
一つの実際的な例を上げましょう。
以下の図(住宅のプランニング)の変換の一連の流れについて考えてみましょう。
図は、カリフォルニア州ソノマカウンティに建てられるよう準備を整えた
サンダー家の住宅プランの展開の初期段階です。
何が起きているか、各段階において考えましょう。
1段階目:住宅の配置。一つのセンターが形成されました。
文脈、土地、眺望や付近の建物から、STRONG-CENTER、強いセンターの変換が、
眼下のブドウ畑の広がりを眺めながら、敷地である土地の平らな面の端に住宅を配置します。
2段階目:中庭の形成。この一つのセンターは、この時、POSITIVE-SPACEポジティブ・スペースと、
DEEP-INTERLOCK
AND NOT-SEPEARATED深い噛み合わせと融合の下で、変換されます。
一つの深いセンターが形成されて、眺望に向かっている中庭は、その住宅によって完成されますが、
その住宅は3つのウイングを形成しながら、中庭を形成していくのです。
地面とのつながりを確実にするそれらの3つの変換は、
土地の中へと接触して、それを増大させていきます。
3段階目:住宅の(3つの)ウイングの分化。前の場面で、分化されていないU字型は、
ここで、さらに変換します。
繰り返しますが、変換の初期の本来の力は、実際的な事柄(いくつかのパターン)への配慮から来ていますが、
幾何学的インパクトは、形への影響力は、15の変換から起きているのです。
中央では、ALTERNATIVE-REPETITION、交互の繰り返しの変換が、
列柱と柱間が四角く形作り一つの広いポーチを創出してます。
3つの翼の其々が、さらに分化されて、メイン・ルームという大きな一つのセンターが、
LOCAL-SYMMETRY、局所的左右対称の変換と、
LEVELS-OF-SCALE、スケールの段階の変換によって形成されてます。
そして、右手の翼は、BOUNDRY、境界とGRADIENTS、変化率/グラデーションの変換によって形成されます。
最後に、玄関が、左手へと、
GOOD−SHAPE、良い形とDEEP-INTERLOCK、深い噛み合わせとECHOES、エコーの変換により形成されています。
ポジティブ・スペースと、それらが置かれている土地に適合するように修正しながら、
出来るだけ四角に近くへといくつかの四角で構成しながら、
終始、ROUGHNESS、粗さの変換の結果が見て取れます。
4段階目:屋内の分化との拡張。中央の建物は、ここで更に、住宅の核を創る変換により分化されます。
つまり、リビングとダイニング・キッチンの領域の構成です。
これは、パターンの形式で表されて、機能と家族との居心地の良さについての集中したディスカッションから起きました。
しかし、再び、15の変換の作用により、その時、形が生み出されたのです。
その構成は、いくつかのパターンである、機能的な考慮から来ましたが、形の力は、15の変換から起きるのです。
5段階目:更なる外殻領域の分化。NOT-SEPARETENESS、切り離せない融合の変換が、
いくつかのセンターを括る外殻を創るために、ここで幾度か出現してます。
そして、それは、庭を分化するが、結局、住宅と周囲の間を取り持ち、個々の関係性を創っているのです。
6段階目:リビングの詳細にわたる分化。BOUNDARY、境界の変換が、次の段階で、
首尾一貫した空間を形成するのを助けながら、かなり発揮して作用します。
それは、大きなボウ・ウインドウを形づくり、キッチンからその背後にいくつかの部屋の層を設け、
リビングの暖炉の背後は廊下と階段で、終始、部屋を確りと形づくることに始まる、空間と構造の分化です。
同様の効果として、他の部分でも他の部屋の出現が見て取れます。
これは、LEVEL-OF-SCALE、スケールの段階と、STRONG-CENTER、強いセンターと、
LOCAL-SYMMETRIES、局所的左右対称の変換の作用により、
階段下の出窓アルコーブの形成の中で、補完、追加されるのです。
終始、プランの目立たない不定形さを尊重しながら、
それらの大変強い確りと形成されたセンターを可能にするために、
ROUGHNESS、粗さの変換が作用しています。
普通に見て取れる例として、住宅の表玄関の中に、キッチンへ小さなロビーにおいて、わかります。
外部の境界を考慮して、内部空間の其々のポジティブ・スペースや局所的左右対称や強いセンターを保ちつつ、
適応させるために不定形となっています。
7段階目:構造の出現。次に、このプランは、こうして首尾一貫した構造的な間のシリーズを形成するやり方についてです。
これは、壁や柱といった構造的要素から個々の首尾一貫したPOSITIVE-SPACE、ポジティブ・スペースを形成しながら、
主にLOAL-SYMMETRIES、局所的左右対称と、LEVEL-OF-SCALEの働きによって、成し遂げられています。
右と左のプランの図を見比べると、これは、全体の中で、一つの確りとどっしりとした変換を誘導します。(p.213)
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こうして、一つの統一、一つの調和をつくる首尾一貫した形の形成について、見て参りましたが、
小規模から、かなりの大規模まで同じように生成されていくのですが、
都市のような大規模なスケールでは、
生成された構造、生きているプロセスがなくなってしまっている現状について記述は続きます。
(「The Nature of Order BOOK2」のp.213以降を読まれたい方は、
どうぞ、こちらでご購入を→ http://www.natureoforder.com/ )
さて、今回は、分化に着目しましたが、ポピーレーンの家も、文脈は異なりますが、
サンダー家の住宅と同様に、
こうして生きているプロセスによって生成された構造が創出されていたと、思い出されましたでしょうか。
それでは、次回をお楽しみに〜♪